誰かに愛されたいというこころが芽生えたら、解決方法は2つある。
1つは自分に磨きをかけて、愛されたいと思う人のために努力をすること。
もう1つは──その愛されたいと思うこころを捨ててしまうこと。
私は2年以上も、自分の想いを捨ててきた。
だって愛されたいという努力は必ず報われるとは限らなくて…
傷つく確率の方が圧倒的に高いんだもの。
もうこれ以上、傷つくことはイヤだった。
どんなに願っても、きっと届くことはない。
誰かに愛してもらえるかもしれないという希望の光は、とっくに消えてしまった。
自分を変えようと努力はしてはみたけれど…
それでも結局、過去に縛られて動けなってしまうの。
もう私は、人のこころを信じられなくなっていたから……。
人のこころを信じられない私が、どうして誰かを愛せる?
どうして愛してもらえる?
──そんな結論を出した私は、想いを捨てることにした。
想いを捨てることは、結構楽なものだった。
もちろん一度捨てたらといって、全部なくなるものじゃない。
そんな簡単に捨てられるものだったら、
最初からそんなに大事なものじゃなかったってことなんだから。
こころという器に一滴一滴、想いのしずくが溜まっていく。
それがたくさん溜まったら、溢れる前にどこかに捨てるの。
代わりに、別の何かへの気持ちを満たしてあげて。
捨てた想いは気がついたら、また器に溜まってしまうから…
そうしたら、また溢れる前に捨てる。それの繰り返し。
何度もしていると、また自分でも気づかないうちに…
想いは時間に癒されて、薄れていく。
ここまでくると、だいぶ楽になれるの。
時間はかかってしまうけれど、傷つくことを考えればずっと楽だった。
こころが傷つくだびに、器にヒビが入っていく。
ヒビが深くなってしまうと、想いを抑えることが難しくなってしまう 。
特に、私の器はもうかなり脆くなってしまっている。
これ以上傷ついたら、壊れてしまう怖れがあるくらいに。
……だから壊れる前に、私は傷つくことから遠ざかったの。
──それなのに…
まさかこんな私を大きく揺るがす起こるだなんて。
全然、考えてもみなかった……。