● 「恋心を目覚めさせる方法」 --- 突然の訪問とお誘い ●

(うーん…結構楽になったかも)
 お昼ごはんを食べ、また少し寝て傍に置いてある携帯を見ると、3時半過ぎ。――って、あれ? 新着メール1件って誰だろ。




     件名:須藤です。
     ================
     明日提出の課題が出たから、今日
     の帰りに小沢さんの家に渡しに行
     くよ。
     それと今日の授業の分のノートの
     コピーも持って行くね。時間は5時
     くらいに。




「何それ! ウソ、ホントに?!」
 誰もいない自分の部屋で、思わず叫んだ。どうして須藤くんが…って疑問に思ったけど、そんなことはとりあえずどうでもいい。今着てるのは適当に選んだ服だし、着替える服探さないと……!


* * *

〔家の玄関のチャイムが鳴る〕

「――っ、来た!」
 階段を駆け下りて玄関に着くと、お母さんがすでにインターホンのモニター越しに応答していた。
「綾香、須藤くんって子が今来て…」
「分かってる、私が出るから。お母さんは部屋に戻って」
「はいはい」
 お母さんが戻るのを確認して、私は玄関のドアを開けた。その瞬間、須藤くんと目が合ってしまい、私は思わず俯いた。


「小沢さん…よかった顔色戻ったみたいだね」
「あぁ、うん…少し休めたから」
 再び顔を上げたけれど、須藤くんの顔を見たら今朝のことまで思い出して、心臓が何度も大きく鳴り続ける。…ダメダメ、平静にならないと。

「これ――メール送った課題とノートのコピー渡すね」
「ありがとう。須藤くん、ごめんね。わざわざ持ってきてもらっちゃって…」
「家は遠くないし、大丈夫だよ。気にしないで」
 にっこりと微笑んで、王子様スマイル。さすが、学校の人気者。
「うん…」
「じゃあ、僕はこれで帰るね」
「うん、本当にありがとう」
 私は須藤くんに手を振り、見送った。




 ――早速、部屋に戻って宿題のプリントとノートのコピーを確認した。
 宿題は…英語のプリントね。よかった得意教科で、すぐ終わりそう。
 ノートのコピーは――すごい字キレイ。しかもていねいで分かりやすくまとめてある! やっぱり成績トップクラスの人は違うなぁ。
 …ん? 最後のコピーに淡い紫のふせんが付いてる? なんだろ。



 『近いうちに放課後、二人きりで話したいことがあるから時間作れないかな?』



(――…話したいことって何??)
 首をかしげるけれど、私に思い当たることなんてない。まぁ、考えたところでどうにでもなるものじゃないし、いっか。それより――

(須藤くんには、私も伝えたいことがあるんだった…)
 ずっと伝えたかった気持ちを、伝えるいい機会。返事は早い方がいいよね。今からメールしよっと。 




     件名:メッセージ見ました。
     ================
     さっきは家まで来てくれて、あり
     がとう。
     私も須藤くんに伝えたいことがあ
     るの。
     明日の放課後、もし空いていたら
     会いたいです。





(こうやって先に送っておけば、伝えられる…今度こそ)
 ――私が送信してから、30分後くらいに携帯が鳴った。須藤くんからだ。




     件名:(non title)
     ================
     返事ありがとう。じゃあ明日の放
     課後、屋上のドアの前で。





 さて明日の予定も決まったことだし、宿題やって今日は早めに寝ないと。すぐ寝れる自信ないけれど……。

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