(うーん…結構楽になったかも)
お昼ごはんを食べ、また少し寝て傍に置いてある携帯を見ると、3時半過ぎ。――って、あれ? 新着メール1件って誰だろ。
件名:須藤です。
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明日提出の課題が出たから、今日
の帰りに小沢さんの家に渡しに行
くよ。
それと今日の授業の分のノートの
コピーも持って行くね。時間は5時
くらいに。
「何それ! ウソ、ホントに?!」
誰もいない自分の部屋で、思わず叫んだ。どうして須藤くんが…って疑問に思ったけど、そんなことはとりあえずどうでもいい。今着てるのは適当に選んだ服だし、着替える服探さないと……!
* * *
〔家の玄関のチャイムが鳴る〕
「――っ、来た!」
階段を駆け下りて玄関に着くと、お母さんがすでにインターホンのモニター越しに応答していた。
「綾香、須藤くんって子が今来て…」
「分かってる、私が出るから。お母さんは部屋に戻って」
「はいはい」
お母さんが戻るのを確認して、私は玄関のドアを開けた。その瞬間、須藤くんと目が合ってしまい、私は思わず俯いた。
「小沢さん…よかった顔色戻ったみたいだね」
「あぁ、うん…少し休めたから」
再び顔を上げたけれど、須藤くんの顔を見たら今朝のことまで思い出して、心臓が何度も大きく鳴り続ける。…ダメダメ、平静にならないと。
「これ――メール送った課題とノートのコピー渡すね」
「ありがとう。須藤くん、ごめんね。わざわざ持ってきてもらっちゃって…」
「家は遠くないし、大丈夫だよ。気にしないで」
にっこりと微笑んで、王子様スマイル。さすが、学校の人気者。
「うん…」
「じゃあ、僕はこれで帰るね」
「うん、本当にありがとう」
私は須藤くんに手を振り、見送った。
――早速、部屋に戻って宿題のプリントとノートのコピーを確認した。
宿題は…英語のプリントね。よかった得意教科で、すぐ終わりそう。
ノートのコピーは――すごい字キレイ。しかもていねいで分かりやすくまとめてある! やっぱり成績トップクラスの人は違うなぁ。
…ん? 最後のコピーに淡い紫のふせんが付いてる? なんだろ。
『近いうちに放課後、二人きりで話したいことがあるから時間作れないかな?』
(――…話したいことって何??)
首をかしげるけれど、私に思い当たることなんてない。まぁ、考えたところでどうにでもなるものじゃないし、いっか。それより――
(須藤くんには、私も伝えたいことがあるんだった…)
ずっと伝えたかった気持ちを、伝えるいい機会。返事は早い方がいいよね。今からメールしよっと。
件名:メッセージ見ました。
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さっきは家まで来てくれて、あり
がとう。
私も須藤くんに伝えたいことがあ
るの。
明日の放課後、もし空いていたら
会いたいです。
(こうやって先に送っておけば、伝えられる…今度こそ)
――私が送信してから、30分後くらいに携帯が鳴った。須藤くんからだ。
件名:(non title)
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返事ありがとう。じゃあ明日の放
課後、屋上のドアの前で。
さて明日の予定も決まったことだし、宿題やって今日は早めに寝ないと。すぐ寝れる自信ないけれど……。
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