[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

● 「恋心を目覚めさせる方法」 ---  悪循環  ●

「終わった…」
 帰宅し借りたノートの写しを終えて、ベッドに倒れこむ。

 まだ体が重い。ベッドのマットに沈んでいるだけのはずなのに、もっと奥底に沈んでいってしまいそうな。
 今はただ横になりたい。もう座っているのもつらくなってきたから。


 最近はこんな状態ばかりだ。ほぼ毎日、自分で自分の体重を支えられなくて、寝ているのが一番楽で。ベッドから離れたくない。

 生きることをあきらめかけていた中学のときよりも、今の生活ははるかに落ち着いているはずなのに。
 どうしてこんなにこころが揺れるんだろう。あの時と同じ、受験の時期だから? でもあの時のように、つらいことは起こっていないのに…。


 また昔を思い出したら、思わず涙がこぼれそうになってしまった。こんなことを考えてたら、今夜も何時間も寝れなくなっちゃう。
 睡眠時間が足りなければ、もっと自分の身体に負担をかけてうまくいかなくなるのに。


 ――忘れないと、過去のことは。考えてダメ、今のことは。

 自分自身に語りかけるようにこころに念じて、私は目尻を少しぬぐった。

→ NEXT

Copyright (c) 2010 Asuma Otsuki All rights reserved.
 

-Powered by 小説HTMLの小人さん-